能に親しむ-観世流-
2017年6月3日(土)※公演終了
毎年恒例の「能に親しむ」シリーズは、能の約束事や道具の解説ほか、様々な角度から能楽を楽しめる公演です。中でも注目の「装束附け」では、普段は楽屋で行われる衣装の着付けを、能楽師自身の解説付きで披露するなど、能楽師たちがどのように公演に取り組んでいるのか、その内側を垣間みることができます。能は、髙梨万里による『経正』。京都御室御所の行慶僧都が一ノ谷の合戦で討ち死にした平経正の回向をしていると経正の亡霊が現われます。経正は手向けられた琵琶を弾き、舞を舞って興じますが、やがて修羅道での苦しみに襲われ、浅ましいわが身を見られることを恥じ消え失せます。この曲は戦いの末討ち死にした武将の霊が登場する「修羅能」の分類に入りますが、芸術を愛した平家の公達を描く事を主体としています。戦で命を落としたものの生前の優雅な世界を忘れられず戻ってきた姿を、爽やかな作品に作り上げています。
仕舞「難波」
藤波重孝
仕舞「杜若」
髙梨良一
地頭:岡庭祥大
おはなし・装束附け実演・「経正」解説
関根知孝
能「経正」
平経正:髙梨万里
行慶僧都:村瀬慧
笛:八反田智子
小鼓:鳥山直也
大鼓:大倉栄太郎
後見:髙梨良一 岡庭祥大
地頭:関根知孝