定期能七月-喜多流-
2018年7月7日(土)※公演終了
7月の喜多流公演、今年は文武両道に優れた平家の武将、薩摩守忠度の物語です。かつて藤原俊成の門弟であった旅僧が須磨の浦で一人の老人に出逢い、花の木陰を一夜の宿に勧められます。やがて仮寝をしていると平忠度の霊が現われ、かつて出陣に際して俊成を訪れ歌集を託した事を語り、その後一の谷の戦いで岡部六弥太に討たれた様を見せ、どうか回向をして欲しいと頼み、花の根元へ消え行きます。
武士の霊が生前への思いを見せる修羅能ではありますが、武将としての心残りよりも、歌人として優れた歌を残しながら朝敵が故に「詠み人知らず」として千載集に載せられた事への執心が重く扱われています。
おはなし 馬場あき子
能「忠度」
樵老人/平忠度の霊:友枝昭世
旅僧:森常好
従僧:大日方寛
従僧:森常太郎
須磨の浦人:奥津健太郎
笛:一噌隆之
小鼓:曽和正博
大鼓:大倉慶乃助
後見:中村邦生 友枝雄人
地頭:香川靖嗣