定期能二月-金剛流-
2023年2月5日(日)※公演終了
第一部は金剛流宗家・金剛永謹による「田村 長床几」。旅の僧が京に着き、清水寺で盛りの桜に見とれていると一人の童子が現れ、寺の来歴、あたりの名所を教えます。僧が童子に名を訪ねると地主の坂上の田村堂を案内し、姿を消します。僧が夜もすがら桜の木陰で読経していると、童子から姿を変えた坂上田村麻呂の霊が威風堂々たる武将姿で現れ合戦の様子を語ります。死後を描きつつ祝言の味わいがある、爽やかな作品です。
第二部は流儀の重鎮・豊嶋彌左衞門による「東北」。東国からの旅の僧が東北院の和泉式部の住居跡を訪れ、見事に咲く梅の花を眺めていると一人の女が現れます。この梅は藤原道長の娘・上東門院彰子の御所であった頃、和泉式部が「軒端の梅」と名付けたと語り、自分はこの梅の主の和泉式部であると述べて花の陰に消え失せます。その夜僧が梅の木陰で読経していると、和泉式部の霊が現れ、和歌の功徳で歌舞の菩薩になったと語り、美しい舞を舞い、やがて方丈の中に入ったかと思うと、僧の夢は覚めるのでした。
狂言は茂山千五郎家による「雁礫」と「千鳥」。両部とも冒頭に演目解説があります。
<第一部>
狂言「雁礫」
大名:茂山あきら
道通の者:茂山茂
目代:茂山千五郎
後見:山下守之
能「田村 長床几」
童子/坂上田村麻呂:金剛永謹
旅僧:宝生欣哉
従僧:大日方寛
従僧:宝生尚哉
清水寺門前の者:島田洋海
笛:藤田貴寛
小鼓:観世新九郎
大鼓:安福光雄
後見:今井清隆、豊嶋幸洋、山田純夫
地頭:松野恭憲
<第二部>
狂言「千鳥」
太郎冠者:茂山千五郎
主人:茂山あきら
酒屋:茂山茂
後見:島田洋海
能「東北」
里の女/和泉式部の霊:豊嶋彌左衞門
旅僧:福王和幸
従僧:村瀬提
従僧:村瀬慧
門前の者:山下守之
笛:杉信太朗
小鼓:飯田清一
大鼓:柿原弘和
後見:廣田幸稔、豊嶋晃嗣
地頭:今井清隆
解説:金子直樹(両部とも)
※東京都感染防止期間における【イベント開催時のチェックリスト】はこちら(2023.1.25)