定期能11月-観世流-
2017年11月18日(土)※公演終了
第一部は寺井榮による能「葵上」。六条御息所がかつての恋人である光源氏の正室・葵上が懐妊した事に激しい嫉妬を覚え、生霊となって病床の枕元に現われ葵上を苦しめますが、横川ノ小聖と言う行者の祈祷により成仏します。誰もが内に持つ執念の心から鬼に変わる瞬間が見どころの一つと言える、『源氏物語』を題材にした名曲です。
第二部は関根知孝による能「清経」。平清経の家臣淡津三郎は、主の形見の黒髪を清経の妻に届けるために九州から都へ戻ってきます。清経は一門の行く末に絶望して豊前国(福岡県)で船から身を投げて果て、妻は自分を残して死を選んだ夫を恨み嘆き悲しみます。やがて夢枕に清経の霊が現れ、都を落ちた平家一門の様子や、月の美しい夜入水したことを物語りますが、入水に際して念仏を唱えた功徳で成仏したと述べて消え行きます。狂言は和泉流三宅右近家による「文山賊」と「鶏聟」。各部とも冒頭に上演演目の解説があります。
<第一部>
仕舞
「屋島」 北浪貴裕
「駒之段」 髙梨良一
狂言「文山賊」
山賊:三宅右近
山賊:三宅近成
能「葵上 梓之出」
六条御息所の霊:寺井榮
照日の巫女:髙梨万里
横川小聖:村瀬提
臣下:矢野昌平
左大臣家の男:前田晃一
笛:藤田貴寛
小鼓:観世新九郎
大鼓:佃良勝
太鼓:桜井均
後見:武田尚浩 上田公威
地頭:関根知孝
<第二部>
仕舞
「玉鬘」 浅見重好
「融」 武田尚浩
狂言「鶏聟」
聟:三宅右矩
舅:三宅右近
太郎冠者:髙澤祐介
教え手:金田弘明
能「清経 替之型」
平清経:関根知孝
清経の妻:清水義也
淡津三郎:村瀬慧
笛:藤田貴寛
小鼓:観世新九郎
大鼓:佃良勝
後見:髙梨良一 岡庭祥大
地頭:武田尚浩
解説:村上湛(両部とも)