定期能5月−宝生流−
2018年5月27日(日)※公演終了
初夏の宝生流、第一部は武田孝史による能「景清」。平家の勇将悪七兵衛景清は、源平の戦乱後に日向国に流され盲目の琵琶法師となって粗末な生活を送っています。娘の人丸が鎌倉からやって来ますが親子の名乗りをせず、一度はその地を離れた人丸が再び訪れると心を和らげて対面し、頼みに応じて武勇談を聞かせ、やがて涙ながらにまた別れを告げるのでした。
第二部は宗家・宝生和英による能「藤」。諸国を旅する僧が越中多祜の浦で咲き誇る藤の花の中、里の女に出逢います。この藤の花のために詠まれた古歌を挙げ、自分はこの藤の精であると伝え、やがて僧が仮寝をしていると藤の精は再び姿を現し、春から夏にかけて長く咲く藤の風情を美しく謡い舞い、夜明けと共に消え行きます。
両部とも、人間国宝・山本東次郎と一門による狂言を併演。冒頭に上演演目の解説があります。
<第一部>
狂言「樋の酒」
太郎冠者:山本東次郎
主:山本則秀
次郎冠者:山本則俊
能「景清」
景清:武田孝史
人丸:小倉伸二郎
人丸の従者:野月聡
里人:殿田謙吉
笛:杉信太朗
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:國川純
後見:金井雄資、小倉健太郎、金井賢郎
地頭:髙橋章
<第二部>
狂言「鱸包丁」
伯父:山本東次郎
甥:山本則重
能「藤」
里女/藤の精:宝生和英
旅僧:殿田謙吉
従僧:則久英志、吉田祐一
里人:山本泰太郎
笛:杉信太朗
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:國川純
太鼓:大川典良
後見:野月聡、小倉伸二郎
地頭:今井泰行
解説:金子直樹(両部とも)