Bunkamura30周年記念 セルリアンタワー能楽堂
「渋谷能」 第四夜 宝生流
2019年7月26日(金)※公演終了
次世代を担う能楽師、劇的に舞う。渋谷に舞う。
国内外から注目され、未来に向けて進化し続ける渋谷に、約650年の歴史を持つ芸能“能楽”の未来を担う若手能楽師が集まり、現代と伝統の世界とを結びます。
第四夜は、宝生流・髙橋憲正による「藤戸」。
宝生流ゆかりの地域である金沢ほか北陸の公演でも活躍する、髙橋憲正が登場。『平家物語』のエピソードを庶民の目線から捉えた「藤戸」を上演します。息子を失った母、その息子の亡霊の二役を前後半で演じ分ける難しい曲ですが、やり甲斐のある曲、精一杯務めます、とコメントしています。
◆プログラム
解説:金子直樹
能「藤戸」
漁師の母/漁師の霊:髙橋憲正
佐々木盛綱:野口能弘
盛綱の家人:山本則重
笛:小野寺竜一
小鼓:田邊恭資
大鼓:國川純
後見:宝生和英、金森良充
地頭:和久荘太郎
ほか
◆あらすじ
源氏の武将佐々木盛綱は、藤戸(現在の岡山県倉敷市)の備前の児島に新たな領主として入島し、訴え事のある者は申し出るようにと触れを出します。すると老女が現われ、盛綱に我が子を殺された恨みを述べ、はじめは否定していた盛綱も隠しきれなくなり、浅瀬を教えてくれた若い漁師を殺して海に沈めたと告白し、弔いを約束し母親を家へ帰します。盛綱が法要を行っていると漁師の亡霊が現れ、殺された事を再現し、祟りをなそうとしますが、弔いを受けて成仏します。
◆みどころ
現在の児島は本州と陸続きの半島となっており、昔は浅瀬が続いていたことが想像できます。『平家物語』ではこの事件を盛綱の功績を讃える武勇談として扱っていますが、また対極には手柄のために殺された漁師、その家族がおり、弔って成仏しても死んだ者は帰らないという悲しみをこの作品は表しています。
◆関連企画
[事前講座(第4回)]
該当公演チケットで参加可能な事前講座を、セルリアンタワー能楽堂にて実施いたします。
出演:宝生流 髙橋憲正、和久荘太郎
日程:7/16(火)
時間:19:00~
場所:セルリアンタワー能楽堂
料金:500円
*人数限定・事前予約制
*該当公演のチケットをお持ちの方は無料。講座当日に必ずチケットをご提示ください。講座開催時に公演チケットの販売もいたします。
*講座料金をお支払いいただいた後公演チケットをお求めいただいた方は公演チケットを割引いたします。(講座当日の販売のみ)
*公演と別の日程での開催。第二回以降の詳細はセルリアンタワー能楽堂HPにて随時告知いたします。
[アフターパーティー]
各回終演後、出演者との懇親会を能楽堂前通路にて開催いたします。
料金:1,500円(ドリンク券付き)
*人数限定・事前予約制
[クラウドファンディングに挑戦!] *支援の募集は終了いたしました。
新たな試みとして、READYFOR㈱協力のもと、「渋谷能」はクラウドファンディングにも取り組みます。幅広い層に能楽の魅力を伝えるため、様々な角度から世の中にアプローチを図ります。
「渋谷能」クラウドファンディング プロジェクトページはこちら
[関連企画 問合せ/申込み]
セルリアンタワー能楽堂 03-3477-6412
◆主な出演者
髙橋 憲正(たかはし のりまさ)
シテ方宝生流
昭和51年生まれ、シテ方宝生流髙橋右任の長男。19世宗家宝生英照に師事。昭和56年「鞍馬天狗」花見で初舞台を踏む。平成16年「草薙」にて初シテを勤め、これまでに「翁」千歳「石橋」「道成寺」「乱」を披く。重要無形文化財総合指定保持者。現在は自身の同門会「憲宝会」を主宰し指導にあたる他、金沢を中心に北陸での公演にも出演中。