定期能二月-金剛流-
2021年2月14日(日)※公演終了
第一部は金剛流宗家・金剛永謹による「鉄輪」。夫に見捨てられた都の女が毎夜貴船神社に丑の刻詣に赴き、夫と新妻に恨みの心を呪いとしてぶつけますが、夫が頼りにした陰陽師・安倍晴明によって守護する神々に退けられ消え去ります。劇的な迫力を持ち、リアリティに富んだ作品です。
第二部は流儀の重鎮・豊嶋彌左衞門による「雪」。旅の僧が摂津国野田の渡しで大雪に逢い、しばらく休むうち一人の美しい女が現れます。女は仏への憧れを語り僧に迷いを晴らして欲しいと頼みます。僧は仏法の功徳を信じることで成仏できることを教え、女は月明かりの下静かに舞いますが、やがて夜明けとともに姿を消します。清楚で幽玄味溢れた雰囲気を醸し出す、金剛流だけにある名作です。狂言は茂山千五郎家による「伊文字」と「鐘の音」。両部とも冒頭に演目解説があります。
<第一部>
狂言「伊文字」
女/使いの者:茂山千五郎
主:茂山逸平
太郎冠者:茂山あきら
後見:柴田鉄平
能「鉄輪」
女/女の生霊:金剛永謹
安倍晴明:殿田謙吉
社人:島田洋海
笛:松田弘之
小鼓:曽和正博
大鼓:國川純
太鼓:金春惣右衛門
後見:廣田幸稔、豊嶋幸洋
地頭:松野恭憲
<第二部>
狂言「鐘の音」
太郎冠者:茂山逸平
主人:茂山あきら
仲裁人:茂山千五郎
後見:島田洋海
能「雪」
雪の精:豊嶋彌左衞門
旅僧:殿田謙吉
笛:松田弘之
小鼓:曽和正博
大鼓:國川純
後見:豊嶋幸洋、豊嶋晃嗣
地頭:松野恭憲
解説:金子直樹(両部とも)