セルリアンタワー能楽堂開場二十周年記念
定期能九月-観世流-
2021年9月23日(木・祝)※公演終了
今年の定期能観世流公演は、開場二十周年にふさわしく、観世流二十六世宗家・観世清和と子息三郎太の出演です。第一部は「養老 水波之伝」。美濃の国本巣の郡に霊泉が湧くという知らせに勅使が訪れると、霊水をみつけた樵の親子に出会います。息子が見つけた滝の水を老親が飲んだところ、心身ともに爽快になった事から「養老の滝」と名づけたのでした。老人は滝壺の場所を教え長寿と水にまつわる故事を引き、養老の滝から湧く薬の水を讃えます。やがて天から音楽が聞こえ花が散り降るという吉兆が現れ、楊柳観音菩薩の化身の山神が登場し、颯爽と舞を舞って天下泰平を祝福します。
第二部は「乱 置壺双之舞」。中国の金山の麓に高風という親孝行の男があり、夢のお告げの通りに市で酒を売ると次第に金持ちになります。市の立つ毎に高風の店に来ていくら酒を飲んでも顔色が一向に変わらない男があり、不審に思い尋ねると、海中に住む猩々だと明かして帰って行きます。そこで高風はある月の晩、潯陽の江のほとりに酒壺を置いて待っていると、二匹の猩々が波間から浮かび出て高風と酒を酌み交わします。岸辺の葦の葉は笛の音、波の音は鼓の調べのように響き、天然の音楽にのって猩々は舞を舞い、高風の素直な心を褒め、汲めども尽きぬ酒壺を与え消え去ります。
狂言は人間国宝・野村万作による「末広かり」(第一部)と野村裕基・野村太一郎による「二人袴」(第二部)を上演、各回冒頭に演目解説があります。
<第一部>
狂言「末広かり」
果報者:野村万作
太郎冠者:内藤連
すっぱ:石田淡朗
後見:岡聡史
能「養老 水波之伝」
樵翁/山神:観世清和
樵夫:観世三郎太
天女:坂口貴信
勅使:森常好
従者:舘田善博
従者:梅村昌功
笛:松田弘之
小鼓:観世新九郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:林雄一郎
後見:上田公威、武田尚浩
地頭:山階彌右衛門
<第二部>
狂言「二人袴」
聟:野村裕基
兄:野村太一郎
太郎冠者:月崎晴夫
舅:石田幸雄
後見:岡聡史
能「乱 置壺双之舞」
猩々:観世清和
猩々:観世三郎太
高風:森常好
笛:松田弘之
小鼓:観世新九郎
大鼓:亀井広忠
太鼓:林雄一郎
後見:山階彌右衛門、上田公威、坂口貴信
地頭:観世芳伸
解説:村上湛(両部とも)
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