定期能七月-喜多流-
2023年7月1日(土)※公演終了
旅の僧が一夜の宿を求めたお堂で鵜飼の老人に出逢います。僧は老人に殺生を止めるよう戒め、昔このあたりで親切にされた宿の老人にも同じような忠告をしたことを話すと、鵜飼は、その老人は殺生禁断の場所で鵜飼をしたため、川に沈められて殺された事を話し、自分こそその鵜飼の霊であると言い姿を消します。僧が老人の霊を弔っていると閻魔大王が現れ、鵜飼は地獄送りになるところ、生前、僧に宿を貸して親切にした善行と経の功徳によって極楽送りになったと告げ、法華経の有難さを讃えるのでした。
「阿漕」「善知鳥」と共に<三卑賤>と呼ばれる曲で、生業のための狩りにもかかわらず殺生の罪で地獄に落とされた亡者が生前の狩猟の様子を再現することによって救済される姿を描いています。また、ワキの僧を言外に日蓮上人である事をほのめかしている、法華経礼賛の趣きが強い作品です。
解説 金子敬一郎
能「鵜飼」
鵜飼の老人/閻魔大王:友枝昭世
旅僧:宝生欣哉
従僧:大日方寛
所の者:高澤祐介
笛:一噌隆之
小鼓:曽和正博
大鼓:大倉慶乃助
太鼓:小寺真佐人
後見:中村邦生、友枝雄人
地頭:香川靖嗣
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