定期能七月-喜多流-
2024年7月6日(土)
河内国の住人・高安通俊は、さる人の讒言を信じ一子俊徳丸を追放した悔恨の念から、息子の二世安楽を祈って天王寺で施行を行ないます。一方、俊徳丸は弱法師とよばれる盲目の乞食となっており、天王寺へやって来ます。その姿を見るとまさしく我が子と気づき、通俊は夜になったら名乗ることにします。弱法師は入日を拝み、心眼に映える光景に恍惚となり興奮のあまり狂じますが、往来の人に行き当たり狂いから覚めます。やがて夜が更け父は名乗りかけ、俊徳丸は我が身を恥じて逃げようとしますが、父はその手を取り、二人連れ立って高安の里へ帰って行きます。
薄幸の身となりながらも、袖に散りかかる梅の花に喜ぶ、俊徳丸の風流心を失わない純粋さを感じられる名作です。
解説 金子敬一郎
能「弱法師」
俊徳丸:友枝昭世
高安通俊:宝生欣哉
従者:高澤祐介
笛:一噌隆之
小鼓:成田達志
大鼓:大倉慶乃助
後見:中村邦生、友枝雄人
地頭:香川靖嗣
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