
定期能六月-宝生流-
定期能六月-宝生流-
2025年6月7日(土)
第一部は武田孝史による能「頼政」。宇治の里で出逢った老人に誘われ、平等院へ向かう旅の僧。ここは源頼政が命果てた縁の地であり、老人は頼政の霊であった…前段は優れた歌人としての叙情的な雰囲気、後段は老体ながら武将としての最期の矜持を描いた名曲です。
第二部は宝生流宗家・宝生和英による能「羽衣 盤渉」。駿河の国三保の松原に住む漁師・白龍が美しい衣が松の木にかかっているのを見つけ、家宝にしようと持って帰ろうとすると、天人が現れ、その羽衣が無いと天に帰れないと訴えます。白龍は羽衣を返す代わりに天人の舞を見せて欲しいと頼み、天人は喜んで承知し、月世界における天人の生活や三保の松原の春景色を讃え、舞を舞いながら天空へと上って行きます。
狂言は大蔵流山本東次郎家による「樋の酒」と「秀句傘」。各部とも冒頭に演目解説があります。
<第一部>
狂言「樋の酒」
太郎冠者:山本則孝
主:山本則重
次郎冠者:山本則秀
後見:若松隆
能「頼政」
老人/頼政:武田孝史
旅僧:宝生常三
里人:山本東次郎
笛:小野寺竜一
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:安福光雄
後見:大坪喜美雄、小倉健太郎
地頭:野月聡
<第二部>
狂言「秀句傘」
大名:山本東次郎
太郎冠者:山本凜太郎
新参者:山本則重
後見:若松隆
能「羽衣 盤渉」
天人:宝生和英
漁夫白龍:宝生常三
漁夫:渡部葵
漁夫:小林克都
笛:杉信太朗
小鼓:鵜澤洋太郎
大鼓:國川純
太鼓:小寺真佐人
後見:野月聡、水上優
地頭:朝倉俊樹
解説:金子直樹(両部とも)