定期能七月-喜多流-
2025年7月5日(土)
洛北八瀬の里で夏の仏道修行を行っている僧のもとへ毎日訪れる女があり、女を小町の霊ではないかと察した僧は市原野に行き亡き跡を弔います。やがて小町の霊と深草少将の怨霊が現れ、少将の怨霊は僧の求めに応じ百夜通いの様を見せ、やがて小町も少将も共に成仏します。美しく才媛であった小野小町に思いを寄せた深草少将の、哀れな中にも貴族の上品さ、小町との和歌のやりとりなど気品がありつつ、妄執の凄まじさが昔語りに垣間見られる名曲です。
解説 金子敬一郎
能「通小町」
深草少将の霊:友枝昭世
小野小町の霊:佐藤陽
僧:宝生欣哉
笛:一噌隆之
小鼓:成田達志
大鼓:國川純
後見:中村邦生、友枝雄人
地頭:香川靖嗣