能の魅力を知る
おり積む想ひ-通小町-
2022年6月18日(土)※公演終了
「能の魅力を知る」シリーズ、今回のテーマは「おり積む想ひ」。男の恋の執念を取り上げた演目を上演します。能に採り上げられる男の恋の執念は陰鬱なものが多いのですが、雅な貴族と鄙の男女という境遇は違えど、どちらもやがて仏縁によって救われる物語です。
六月の能「通小町」は、美しく才媛であった小野小町に思いを寄せた深草少将の恋の物語です。思いを成就させるために小町のもとへ百夜通い続けた様子を再現する後場(のちば)では、少将の執心と、恋多き女としての小町の罪業の苦しみを見せますが、やがて仏縁によって救われます。哀れな中にも貴族の上品さ、小町との和歌のやりとりなど気品が垣間見られる作品です。
狂言は主人に頼まれ恋人への文をいやいや運ぶ太郎冠者と次郎冠者が、こっそり文の中身を見ようとする「文荷」の上演です。
*10月21日「錦木」公演の詳細はこちら
解説 高橋悠介
狂言「文荷」
太郎冠者:山本泰太郎
主:山本凜太郎
次郎冠者:山本則孝
能「通小町」
深草少将:友枝雄人
小野小町:内田成信
僧:福王和幸
笛:藤田貴寛
小鼓:成田達志
大鼓:大倉慶乃助
後見:粟谷浩之、佐々木多門
地頭:大村定
※東京都感染防止期間における【イベント開催時のチェックリスト】はこちら(2022.6.7)